非正社員から正社員に移行する正社員登用制度は、雇用主と従業員の双方にメリットとデメリットがあります。
立場に関わらず仕事には責任が付き物ですが、非正社員と正社員では責任の大きさが異なり、正社員は非正社員が安全に業務が行えるよう管理する役割も担っています。
正社員が離職する際は、勤務先以外に公的機関に出向いて保険や年金など各種手続きが必要ですが、非正社員の場合は正社員と比べ手続きが簡素、そのため転職や離職がし易い立場にいます。
離職する時に手続きが必要ということは、入社するときにも各種手続きがあり、雇用主からすると高いハードルを設けるほど有能な人材を確保できることに繋がります。
経験を早い段階で積ませるために長期のインターンシップ制度を入社前に実施している企業がありますが、長期のインターンシップ制度は正社員として雇用することを前提で行われることがほとんどです。そのためインターンシップ後に他の仕事に変えることは難しいことがあります。しかしインターンシップ制度とは違い正社員登用制度は、非正社員期間中に自分には合わないと思えば非正社員のまま働き続けることが可能です。反対に雇用主からすれば正規雇用する能力がないと判断すれば正社員に登用する義務は法的に生じません。
営業職であれば売り上げ等が数字で明らかになりますが、介護職は数字で判断することが難しく要介護者や他の介護スタッフとの相性も業務を行う上で重要になります。
正社員登用制度では、相性を確認した後に正規採用することができるため介護業界に適した制度と言えます。